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ビデオ酔いの原因                  2000年更新

よく、「初心者のビデオを見ると酔って(気持ち悪くなって)しまう」といわれます。
そして、その原因が「手ブレ」だと勘違いをしている方が多いようです。

もちろん、手ブレも要因の一つではあるのですが、ビデオ酔いの最も大きな理由は、別にあります。いちおう、要因を(大きい順に)次に挙げておきます。
  1. カメラワークの原則を破っている
  2. 水平が狂っている(人間は、0.3度くらいの水平ずれまで認識できます。)
  3. フォローの遅れ
  4. サイズ・画角不良
  5. 手ブレ
ここで、その最も大きな要因である「1.原則を破っている」ことに注目していきましょう。

カメラワークの原則(ズームインの場合)
原則
これは、ズームインを例にしていますが、ZO,PANも同様です。
先ず最初の画面の各4辺に注目してください。

LSから富士山のUSへZIする場合、各4辺の動く「方向」と「速度」は一定でなければならないという大原則があります。
カメラワーク基礎用語でも解説したように、ズームには必ずパンを伴うため、このことはとても重要なことです。
NG
さて、こちらの場合、各4辺の動きを見ると最初の段階で視聴者は「河口湖大橋にZIする」と思います。
だんだん橋に寄っていくので、その予想を確実なものと認識します。

しかし、途中からいきなり富士山のUSへ切り替えられ視聴者の予想は覆されます。
実は、これがビデオ酔いの最も大きな原因なのです。
※解りやすいように富士山の画を使いましたが、現実的にはここはZIするところではありません。ポンと富士山のUSにカットインするか、河口湖大橋にカットインしてから富士山にパンアップが正解でしょう。

※4辺の動く方向(白矢印)は直線である必要はありません。ゆったりと弧を描くように動かすことも良くあります。

※動き始めと終わりはゆっくり。車の発進・停止と同じ要領です。

ビデオ酔いをおこさない撮影方法
  1. パンやズームの始まりの画と終わりの画をしっかり決める。
  2. 必ずリハーサルを行う。
  3. 手持ちでパンニングする場合は、終わりの画の方向に体・足をむけてから上半身だけ始まりの方向を向きます。
    これは、カメラを動かすということは、終わりの画が重要でそちらを長く撮影することが多く、また、急に被写体が動き出しても対応できるからです。

  4. 動き出したら一定速で。これは、車線変更・ブレ−キングを繰り返す車に酔うのと同じです。
  5. 正しいサイズ・画角を心がける。
    頭が切れたFF(全身像)や目線の開いていない画はそれだけで苦痛で気持ち悪くなってしまいます。
    もちろん、これは、パン・ズームの最中にも言えること。
    いついかなる時でも適切な画をキープしなければなりません。

  6. 水平を忘れずに。30度以上の傾きは作者の意図と捉えられますが、10度以下の水平ずれは単なるミスショット。
  7. 歩く人や走る車などフォローする場合は必ず進行方向に空間を作る。
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