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リニア編集とノンリニア編集                     2002年更新
Linear(リニアという言葉の意味)
  1. 直線状の :a 〜 series1列に並んだもの.
  2. 長さに関する一次元の、線で表される.
  3. 線から成る[を使った]、〈美術作品が〉線的な.
  4. 線形の、糸状の、細長い :a 〜 design 線形模様.
  5. 一次の、線形の  :a 〜 equation 一次方程式
    • 語源は、ラテン語でLINE+AR(線に属する)一言で言えば「直線」的なもの。
      例えば、モーターというのは通常、回転運動をするが、それを直線状に走るようにしたものが「リニアモーターカー」となります
Non linear
  単純に「非リニア」というリニアの否定形。直線的ではないということです。
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直線状にテープ編集を行う為、ノンリニアに対してリニア編集と言います。


             ビデオテープへの記録フォーマット           Fig.1


一部を拡大してみると、
 
Fig.2
        
   ※重要な信号ほど内側にある
となる。
ちなみに斜めの映像信号などは、回転ヘッドで記録され、これをヘリカルスキャンと言います。
また、インターレース方式なので、斜線1本が約1/60秒のフィールド。
また、概略の編集(アセンブルとインサート)方法は。

  1. アセンブル編集
    • Fig.2に示すような各信号を全て消去して書き直す編集方法
      • Advantage;インサート編集は、編集するテープに予めCTL(BBまたはシンク)を記録しておく必要があるが、アセンブルではバージンテープにも編集できるので時間を節約できることもあります。
  2. インサート編集
    • Fig.2の内、CTL(一般的にはLTCも含め)以外の各信号を自由に書きかえられる方法
      • Advantage;任意の場所の任意の信号を記録・消去できます。従って、
        1. きめこまかな編集が可能。
        2. 収録テープに合わせて飛び飛びで編集ができる。
        3. 前に戻って編集のやり直しが可能。
        4. 確実な信号の連続性が保たれる。
          • (注)一般に編集というのはインサート編集をさします。
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非直線状にランダムに配置される ⇒ リニアではない ⇒ ノンリニア

テープ(リニア)編集(Fig.3)では、新たにテープに録画されていきます。が、ノンリニア(Fig.4)では新たに記録されることは一部を除いてありません。では、どうするか? 上図の状態で再生させると

  1. ビデオテープ
    • テープが走行するに従いA〜B〜C・・・と順に再生されます。
  2. ハードディスク
    • データに従って、A-1〜A-2〜B・・・とHDDのデータを読み込み、いかにも順々(リニア的に)に再生されているかのように表示します。
      従って早送り巻き戻しがなく、任意の場所の再生が瞬時に行えることが最大の特徴の一つと言えます。
ノンリニアの特徴
メリット
  1. 特殊な場合を除き、編集結果を再生しても素材そのものが再生されます。
  2. インアウトのデータを変えるだけで簡単に編集データを変更。その結果をすぐに確認できます。編集終了後の変更が簡単。仮編集=本編集となります。
  3. リニアでは多大な時間を要する尺の長短も一瞬のうちにできあがります。
  4. ニーズに合った画質を選択できます。
  5. 圧縮比を変えることにより希望の画質・録画時間を確保できます。
  6. 編集による画質音質劣化が少ない。(画質を落とすことにより長時間の録画が可能。)
  7. GUI(Graphical User Interface)を使った分りやすい画面。画を見て確認しながらつなげるので初心者でも間違いが少ない。
  8. 設備が少なくてすむ。コンピュータ・ディスプレイ・録再デッキ各1台でも可能。

デメリット
  1. 実は、リニアのほうが速い場合も多い。(別項で解説)
  2. リアルタイム編集ができない場合があります。(低価格編集機に多い)
    • O.L.、WIPEなどの効果をかける場合、TITLEなどを入れた編集の場合、素材にその画が無い為新たに作りだし、HDDへ保存する必要があります。従って、タイトルを入れたり、OLの尺を一寸変えるだけでも新たに画像を作り出す必要があり、これに数分間を要したりする機種もあります。
  3. データ損失の危険性
    • ソフトウエアのバグ(プログラムそのものが悪い・ミスプログラム)や、ハードウエアの相性などで編集データが壊れてしまうこともあります。
    • 停電すると編集データが壊される⇒頻繁にデータを保存する必要があります。(または、高価な無停電装置を導入する必要があります)

その他
  1. 低価格ノンリニア編集機の場合、素材によってはリニア編集より時間がかかる場合があります。
  2. 編集用パソコンを他の用途に使うと、ハングアップ(動作不能)の危険性が高まります。
    • ハングアップすると、保存していないそれまでの編集データが全て壊れてしまいます。
    • 編集専用機にすることが望ましいと言わざるを得ないところです。
  3. 1度に複数の作品を作りにくい。
  4. 逆に頻繁に使う画素材を保存しておき、いつでも呼び出せます。
  5. 大量の素材をHDDに保存できない⇒編集後の保存はビデオテープなどへ。
  6. 高価な機材を必要とする様々なイフェクトが可能⇒不必要な特殊効果を使ってしまう危険があります。

実は、ノンリニアの最大のデメリットは、その他6.に書いたようにイフェクトの多用です。
「できるのから使いたい」という気持ちは本当に良く解りますが、ほとんどの場合、逆効果になっていることが多いのも事実です。
自分だけで楽しむのは良いのですが、第三者に見せる場合は相当慎重に使うべきで、イフェクトの多用は単に混乱を招くだけで何のメリットも無いことがほとんどです。
イフェクト=パン・ズームということを理解した上で使うべきでしょう。
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