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撮影 Rule.001 構図その1 中学校で習う?分割割合構図の理論 
構図の原則論なので、まずは、カメラを動かさない場合を考えてみます。
被写体も動かない、すなわち、絵画や写真と同じ考え方です。
ひとつひとつ潰していきますので、動かないことから動くことへ順を追って書いていきます。

最初っから「バッサリ」いくのもなんですが、黄金分割(黄金比)で構図を作るなんて話は、何となく、それっぽく聞こえるように「当てはめた」だけ。

単なる数字のマジックであり、今は料理の比率として有名?

なお、写真機のファインダーなどに採用されている三分割構図などの話はここでは完全に無視します。
 
さて、算数では四角形なら「中心」は中央の1点です。
では、構図的に画面の中央に被写体を配置してイイ?

先の黄金比は画面の中央ではなく
「約61.8:38.2に分けたところを中心にしようよ!」
という日の丸構図を避けるための安易な考え方です。

この約6:4という比率は、縦長の掛け軸や書などの縦横比(※1)では構図が破綻してしまいます。
※右図:燕が飛び、滝の上にお堂がある。
    これを、極端にわかりやすく黄金比で構成してみます。
    広大な空と下に流れる大量の水を表現することに・・・

黄金比の掛け軸 掛け軸っぽい?
現代デザインの基本は、

「美しい構図に黄金比が見える場合もあるが、
 黄金比で描かれた絵は美しくない」

すなわち結果論。
「撮る」という意味では何の意味もなさない!と考えます。

特に16:9や映画サイズの比率ではできるだけ早く消し去りたい「間違いルール」です。

では、分割・配置の理論なんて無いの?
 
ご注意 ブローニーの645、コンパクトデジカメ、マイクロフォーサーズ、旧SDテレビ(ブラウン管テレビ※2)などの縦横比4:3では、次に示す「重心」と黄金分割のポイントがほぼ一致します。4:3の縦横比では黄金分割も間違いではない、すなわち、ごく限られた条件では黄金比が正しい場合もあり得ます。
そもそも、黄金比は画面そのものの縦横比の話で構図とは何のかかわりも無いわけで、しかしながら、1.618:1と1:0.618が同じ比率であるという数字、数学的美しさがあり「なんとも摩訶不思議な数字のマジック」という、ある意味、畏敬の念を抱かずにはいられないところでもあります。

そこで、中学校の美術で習う? 絵画の技法

「絵の重心」

まず、対角線(赤線)を引き、画面の4つの角から垂線(緑線)を下ろします。
すると、正方形以外では必ず4点の重心(紫丸)が現れます。
それが下の図(青い外枠は16:9)です。
 
画面の重心16:9

これで掛け軸などの問題もクリアします。
簡単な例として、例えば、左上重心に富士山の頂上、右上に浮浪雲みたいな。

もちろん、欄間や柱の彫刻のような縦横比10:1です!など極端な比率に適用されるとキビシイけれど、シネスコ映画の縦横比までならこのルールが生きます。

このポイントを覚えれば、概ね失敗のない、それなりの画(え)が撮れます。
 
チョット待ったあぁ!

ブローニーの6x6やインスタは正方形だぜ!

ハイハイ、そうです。
正方形では重心=中心=1点。
だから、中央に配置するのがルール。

日本では印鑑や家紋などがそれに相当します。
上下左右対称が正方形の原則なので中央が正解。
この話は簡単には済まないので、また、別項で書きます。
 
さらに!
水平線・地平線や柱など連続しているものを除き「被写体を縦横の同じ重心に配置してはならない」というルールもあり、これもまた長くなる上、とても間違えやすいので次回しっかりと書きます。
なので、構図の分割・配置は次回まで続きます。
今週は「重心」を覚えてください。
 
いずれにしても、大切なのは、このルール(考え方)を頭の片隅に置いておくこと。
絶対条件ではなく、あくまで「片隅」
全てのルールに言えますが、100%絶対ということはありません。

原則は破るためにあり
また、
破るからこそ「個」の主張が見えてきます。

ある意味、カメラマンの醍醐味でもあります。
95%がルールなら、残りの5%に全力で個性を注ぐのが使命!

画を作る
それは、正しいルールを知った上で破る「快感」。
 
次回:「いちおう、画面は四角だから」
※1 縦横比 16:9なら「横縦比」と書くべきだが、業界標準に合わせて「縦横比」という表記で統一。個人的には、横縦が言いにくいので縦横にしているのだと思われるが本当のところは不明。
※2 ブラウン管 正しくはCRT(Cathod Ray Tube)。カール・ブラウンが発明したので日本ではこう呼ぶことが多いので「ブラウン管」と表記。
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