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撮影 Rule.004 構図4「画面の大きさと構図」 
映画館で観る映画は若干意味合いが違うので、ここでは割愛します。
家電量販店で売れ筋の薄型テレビで見る場合を考えます。
 
各メーカーでは、HDテレビの画面高さの3倍程度の視聴距離を推奨しています。
※50インチなら約3m(右図)
テレビまでの距離
こういう粒子(ドット)感や視野角の考え方は、各メーカーはじめ、良く論じられていることです。
しかし「構図」ではどうでも良い、考えないでもいいこと?
 
パーソナルスペースの考え方では、おおむね、日常の会話が行われる相手との距離は0.5~1.5m前後。
個人的には0.5mは近すぎるし、1.5mは離れすぎな気もします。
 
いちおう、会話距離の中間をとって、テレビの視聴距離を1mとしましょう。
逆算すると、画面高さは33cm(27v)ですね。
量販店のテレビはすでに32v以上、それ未満はパーソナルテレビ。
そこで、ざっくり32vとしちゃいます。
すると、画面高さは39cmです。

頭のてっぺんから39cm下のポイントはどこ?

それが、アップショットです。
 実寸=寄りの限界
ということです。
39cm
画面に映る顔の大きさが実物より大きくなるのは、
「余程の、とてつもない、重大な理由がある場合のみ」

個人的に有村架純ちゃんが好きです。
しかし、1mの巨大顔の架純ちゃんが出てくれば目をそむけます。

怪獣じゃないんだから、自然な大きさで見たいのが人情。
 
ほとんどの写真用レンズでは不可能ですが、放送用テレビレンズのピントは、
1.ドンまで寄る(ドン=限界=望遠いっぱいまで)
2.アイリスを開ける(アイリス=絞り)
   ※当該距離でそのレンズが持つ最も浅い被写界深度になる
   ※状況によっては1と2が逆になる場合もあります
3.フォーカスをとる(ピントを合わせる)
4.必要な構図まで引く
5.録画開始
という手順(原則として)を踏みます。

フォーカスは被写界深度が浅いほど、すなわち寄れば寄るほど合わせやすく、カメラマンとしてはピント合わせが「楽」になります。
脳を使わないと、ついつい、寄り過ぎてしまいます。
人は「楽」を選びやすいもので・・・
 
もう一つの理由は、

「アップほど構図を作りやすい」

すなわち、寄れば寄るほど、構図が簡単=楽になる。

アマチュアが望遠レンズを好む理由は
「遠くのものを大きく撮りたい」(それを迫力という人もいます)
と同時に
「無意識に簡単なレンズを使いたがる」
とも言えます。

望遠レンズを使うと、誰が撮ってもほぼ同じ構図になりやすい。
すなわち、腕の差が出にくい。

「レンズは焦点距離が長いほど簡単で、広角になるほど難しくなる」

されに言えば、

「腕が上がれば上がるほど広角を使いたがる」

ことも事実。

広角レンズの「幕の内」感は、依存症におちいります。
雑多な構図を整理整頓する快感が麻薬的なのかもしれません。

引き画でカッコいい構図を作る。
カメラマン冥利につきます。
 
次回:「引きが大事な構図」
アナログ時代の4:3ブラウン管のころ、画質が悪いから、きちんと見せるためにアップを多用するという暗黒時代がありました。
今は相撲の土俵の向こう正面にいる知り合いを見つけられるようになりました。
引き画(Long Shot=ロングショット)が多用されるべき時代になったわけです。
これは、自称カメラマンにとっては「幸か不幸か」と言えるのかもしれません。
テレビドラマは言わずもがな、映画でさえ「ドアップの山」というのはいかがなものか?
ドアップなのに構図が悪いという笑えない事態には辟易(へきえき)します。
 
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