PageTOP

能動ドットコム > ビデオ制作 100のルール > 編集のルール
編集 Rule.001「1フレームに命をかける」 
「1フレーム(コマ)に命をかける」
何と言いますか・・・言ったもん勝ちの業界でもありますので、そういう寝言も良いのかもしれません。
ただ、このフレーズを聞くと笑いをこらえるのに苦労します。

その前に、1フレームってどんだけ?
1秒間のコマ数は29.9700299700299700・・・なので、
1/29.9700299700・・・=0.03336666666666・・・秒
29.97フレームじゃないぜっ!トリビアリズムですね。

とにかく、長いような短いような良くわからない時間の話です。
 
ご注意 1コマの半分をフィールドと言います。約1/60秒です。ここに別の画を入れるのがサブリミナル。オウム真理教で一時話題になりました。アナログ放送機器では可能(※1)でしたが、今時のノンリニア編集システムではコマ数が固定されてフィールドという考え方すら無いので、60fpsか30fpsという話は絶対条件として必要な撮影の項目で詳しく書きますので、編集Ruleではフィールドという考え方さえも割愛いたします。
さて、編集(クリップのカット)というと、
1.再生ボタン(多くはスペースキー)を押す
2.画面を注視しながら「えいっ!」とスペースキーを叩く。
3.クリップをカットして、ちょい巻き戻して再生・確認。
でいいのかな?

こういう人たちにとっては
「1フレームに命をかける」
ってフレーズは金字塔なんだろうか?
 
編集スタジオでは、例えば、あるカットを前(後)にずらしたい時、
「上(下)げて」
とオペレーターに指示します。
ここで
「6フレ上げて」
なんて指示すると失笑を買います。
 
私は、1フレどころか、2フレ、8フレなんて指示をしたこともありません。

1フレや2フレ上げ下げしても、ほぼ、何も変わりません。
認知限界を超えているからです。

11~14フレームを使わないのも、そのフレーム数に意味がないから。
言うのも聞くのも面倒なうえ、効果が無けりゃ、誰も使わなくなります。

人間の限界を超えたフレーム数の指示は誰の得にもなりません。

3、7(10)、15、(20)、1秒、1秒半、2秒
これ以外の数値は非常にまれな特殊用途にしか使いません。

 ※7と10、20と30(1秒)は組とお考え下さい。
  高速化と時代の流れでやむを得ず組で使います、後々詳細解説します。


数字が出てきて面倒ですが、逆に考えてください。
「これだけ覚えればOK」
ということです。
これらのフレーム数・秒数以外のカットポイントはありません。

この数値の意味さえ知っていればスペースキーを叩かなくなります。
もちろん、編集結果を見直す必要もありません。

編集はセンスでも何でもない、ルールなのです。

そのルールを知ったうえで破ることを「センス」や「味」という個性ある言葉で表現します。

今後、この数字の意味するところを書いていきます。
そうすると、上記以外の数値が無意味なことが見えてきます。
 
次回:「プログラマブルというおまじない」
※1 トリビアついでにフィールドと「5秒前!」
フィールドはA-B-A-B・・・と順々に再生されないとxですが、実は、アナログ放送機器のβカムなどの場合、収録時はぐちゃぐちゃです。
編集では、再生機2台と録画機1台を同時に動かします。
毎秒12cmで走行するビデオテープと毎分3600回転するビデオ記録ヘッドがあり、AとBのフィールドは1/60秒だから、合わせるのは結構大変。
そこで、テープを5秒巻き戻して、一斉にスタートさせてヘッドとテープの位置・速度調整をします。
そうしないとA-B-B-Aになっちゃったりするので巻き戻し5秒分の「のりしろ」が必要。
なので、撮影現場で「回った!」「5秒前、よん、さん」ってやってたの。
あれは、出演者用じゃなく、アナログ編集で絶対必要だったから。
メモリーカードなら必要無い5秒だから、今は不要な「5秒前!」つい習慣でやってるけど・・・。
ちなみに、本当は、A-B-A'-B'-A-B-A'-B'・・・というカラーフレーミングもあり、ドラマなどシビアな編集ではABA'B'とカラフレまで合わせる為にさらに2秒、すなわち、7秒のプリロールが必要。
私はドラマの収録では、TCで2秒分数えてから「ハイ回った!」と言うようにしていました。
こうしてカメラマンがプリロールの長さをコントロールしてた旧石器時代のお話。
(このコラムでは数字の「約」を省略しています)
100のRule   映像制作の能動ドットコム