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CHa-Ki 的思考回路
2019年11月24日:NHKが気温の度・分をやめました
長年言い続けているものの一つに表題の「度・分」があります。
講義でも、特に日本語の正確性という観点からディレクターの責務として毎回話すことです。

注意しなければならないのは、ファーストフードを間違ってファストフードと発音するようにしてしまったのとは根本的に違うことです。
日本人が発音できないファーストとフゥーストの違いということではなく、日本語として間違っているのが「度・分」です。
 
いちおう、もういちど解説しておきます。
NHK(FM横浜など一部の局も含む)の気象予報では
「東京渋谷の今の気温は11度7分です」
と言います。

NHKが体温を扱った番組では「体温が37点8度に上がりました」と言っているのに、気温は度・分。
これは正確な日本語を扱うディレクターとしては職業上許せません。
 
野球のバッターの打率は「割分厘」を使います。
勘の良い方はもうお分かりですね。
桁の低い部分が重要かそうでないかが「分厘…」です。
上記リンクの日本語の正確性に出てくる数値と同じ考え方です。

野球では、シーズン最後の打率争いでは3割3分4厘5毛なんて言い方さえします。
0.3345(れいてんさんさんよんごう)では重要な数字が見えないので割分厘毛を使います。

小数点以下の数字がとても重要な場合、例えば、体温が8度1分か8度9分かで診断が異なるように小数点以下が重要な場合は「分」を使います。
30という十の位は割愛するほど、桁の低い部分が重要な場合です。

体温は点度なのに、どうでも良いというか誰も体感できない天気予報の気温で小数点以下に重きを置く「度分」を使うのはいかがなものか。

 
P.S.:
これで、天気予報が始まったら、チャンネルを変えるかミュートするというくだらない作業が減ります。
この変化に気づいたのは、朝の1分天気の気象予報士・山神さん。
今月初めに「9度台です」という言い方をしていたので、NHKの意向に反して、山神さん大丈夫かなぁ?と心配していました。
その後12日の天気予報では9点2度と言っていたので山神さんの勇気に拍手喝さいすると同時に、さらに心配が大きくなりました。
その後、NHK東北のアナウンサーも「度・分」をやめて点度になったので、もしかするとNHK全般的に修正したかもしれません。
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