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色温度とホワイトバランス            2000年4月29日更新

人間の目は「超高性能オートホワイトバランス」ですが、機械であるカメラにはその時の色温度を教えてあげないととんでもない色になってしまいます。

先ずは下の表を色温度の高い順に並べ替えてみてください。
 
A:晴天・日中(お昼前後)・太陽の光を受けている
B:全天雲または雨・日中
C:晴天・日中・ビルの陰・太陽の光は直接当たらない
D:他の蛍光灯など人工的な明かりの無い夜のキャンプファイア
E:白熱灯の点いた室内
F:蛍光灯(特色・昼光色を除く)の点いた室内
G:日出・日没時で太陽が見えている状態

答え

色温度(単位 K= Kelvin ※昔は「°K」を使っていた。)

炭をおこすと熱くなり、火の色が見える。
このときの火の温度+273℃が色温度。
単純に考えれば熱いものほど色温度が高いことになります。

ろうそくの火(赤く見える)とガスバーナーの火(青く見える)を比べてみれば良く解ると思います。

学術的には
「発光体の温度を表わす方法の一つ。または、その数値。高温度の物体や星などの温度をその色から推定する時に用いられる。」(小学館国語辞典より)
となりますが、ぜひ、下の表Fig-1を覚えてください。

太陽の光があたらないビルの陰は青空光を受けているので色温度が高い・・・。
こうして考えると解りやすいと思います。

また、特に注意するのは、「色温度は明るさには全く関係無い」ということです。
雨の日の色温度のほうが日中の太陽光より高いことからも理解できると思います。
 

 Fig-1
色温度と熱


ホワイトバランスに関する注意
  1. 色温度が低いほど色の変化が大きい
    • 色温度の変化が10ミレッド以内であれば実用的には大丈夫(ミレッドの詳細)といわれています。
    • 例えば、2000Kと3000K、5000Kと6000Kの色温度の差はどちらも1000Kですが、色の変化量としては2000Kと3000Kの方が断然大きい。

      したがって、スタジオや白熱灯下での撮影ではちょっとした色温度のミスが大きなミスにつながります。

       
  2. カメラマンは色物を着ないようにする
    • 例えば真っ赤な上着を着ている場合、至近でホワイトバランスをとると赤い上着の反射を受けてしまい、色温度が低く設定されてしまい全体に青っぽくなります。
       
  3. グレースケールの角度
    • 単純に被写体の前にグレースケール(や白い紙)を置くのではなく、そのときの主光源を十分に受けるようにします。

      例えば、日中太陽光で撮影する場合、スケールなどが青空方向を向くと高く、地面(土)方向を向くと低く設定されてしまいます。

       
  4. ホワイトバランスを崩して撮影する場合
    • ある意図をもって撮影する場合(例えば、夕日をより赤く見せるためにあえて5600Kプリセットで撮影する)、その光の特性を十分に把握しておく必要があります。
       
  5. オートアイリスの使用
    • 放送機器ではオートアイリスを使うことは稀ですが、ホワイトバランスをとる時はオートアイリスを使います。
      これは、そのときのもっとも明るい色を白と判断してホワイトバランスをとるためで、ここで、オーバー/アンダーアイリスになっていると正確なバランスを取れません。

       
  6. 民生機の場合
    • 最近の民生機ではオートホワイトバランスがうまく作動するため、マニュアルでとる必要はありません。
       
    • ただし、コロコロ色が変わるのを防ぐためにオートホワイトバランスが作動するまで十秒前後のタイムラグがあるので、室内から外に出た時のように、急に色温度が変わるような撮影には注意が必要です。
      この場合は、新しい色温度にWBが合うまで待たなくてはなりません。

       
ブラックバランス(参考)
  • 放送機器ではホワイトバランスと同様、ブラックバランスをとり、黒を合わせて全体の特性を合わせています。

    下図(Fig-2)のようにブラックバランスをとるとホワイトが若干ずれるので、「白〜黒〜白」の順番にバランスをとります。

    これによりRGB各色のバランスがとれます。

    ちなみにそれ以上は何回取り直しても変化は無いので時間の無駄になります。


Fig-2
2000年4月29日

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