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CHa-Ki 的思考回路
2002年11月17日:心臓の位置と映像の関係?(左右の関係その1)
随分前に「鏡に映る右手は左手。左右が逆転するのに、どうして上下は逆転しないか?」ということを書きました。

今回は、左右に徹してみます。
 
さて、人間の身体はほとんど左右対称のように見えますが、実は対象では無いことは周知の事実。
最もわかりやすいところでは「心臓」は左よりについています。
このことが映像に対してどのように影響しているかについて考えてみたいと思います。
 
上下左右あらゆる方向にカメラを振ることを「パンニング」と言います(上下はティルティングというのは間違い)。

これを、横方向のパンニングだけに絞って考えます。
右方向へ動かす(上から見て時計回り)ことを「パン」、左方向へ動かすことを「逆パン」ということがあります。

最終的には、どちらが「自然に見えるか」ということになるのでしょうが、右へ動かすほうが自然に見えるのは、「心臓が左にあり、人間は左方向から向かってくるものを嫌う(無意識のうちに身構える)から」という論理があります。

本当にそうなの?
 
子どもの頃、トンボを捕まえるとき、指を回した(この際、網を使ったということはこっちに置いておいて)でしょう?
もう一度その頃に戻ったつもりで、指を回してみると大抵の人は時計回りじゃないかと思います。

ネジを回すとき、ドライバーを右回りに回す(力の入りやすい方向)と締まる、左は緩めるですよね。

長〜い年月をかけて一般的に決められたもの、即ち、これらは、人体の構造からくるものじゃないかと思います。
動きやすい方向、力の入れやすい方向が自然に決まってきたものではないでしょうか?

その他、例えば、右手のほうが握力が強い、陸上競技のトラックでは必ず反時計回りに回るなど、そういう観点からすると、三脚を使う場合、左から右へ動かすほうがスムースに回るという体の構造から「慣れ(習慣)」になり、基本は左から右になってしまったということも言えるのではないか?
とも考えています。
 
体の構造と心理的なものというのはかなりの確立で当たっていると思います。
心臓とパンニングの関係もそのようなものかもしれません。

過渡期のものはそれが一定にならない場合も多く、世界的に見れば、車は右側通行と左側通行があるし、文字の方向も左から、右から、上からと人体の構造から判定できないこともよくあること。

写真の世界では、ニコンとキヤノン(ヤは大きいヤです)のレンズのフォーカスが右回り・左回りで逆になります。

放送の世界では、これは統一されて、レンズの動く方向は一定なのでレンズを他メーカに換えても安心です。

ただ、気になるのは、民生のビデオカメラのズームは逆方向になっています。
あえてそうしているのでしょうが、その真意をじっくり聞いてみたいものです。

話がそれないようにしながら、次回はもう少し突っ込んで考えてみたいと思います。
 

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