1.カメラワークの3要素 2000年 (財)横浜市文化振興財団 アマチュアのためのビデオ撮影テキストより抜粋 |
被写体に対する位置(ポジション)、角度(アングル)、被写体のサイズ(フレーム)を3要素といいます。
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2.構図 |
レンズの特性を理解する。
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的確なレンズ選定とアクセサリーの活用 |
被写体を明確に美しく見せる。
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ホワイトバランスや電子シャッター(通常使ってはいけない)の調整 |
バランスの良い構図。
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黄金分割と画面の中心 |
見えないものをも見せる。
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顕微鏡や内視鏡映像・水中映像・可変速撮影・・・・・ |
劇的効果
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的確なカメラワークがもたらす感動・迫力 |
3.カメラを動かすということ(ズームとパン。トラックとクレーン)
- ズームイン(ZI;ズームイン)
- 関心を高める(視線の集中)。
- 明確に見せる。
- 盛り上げ
- ズームアウト(ZO;ズームバック)
- 回りの状況、位置関係を見せる。
- リアクション。
- 緊張感を緩める。(エンディング)
- ズームというのは必ずパンを伴うものでカメラを全く動かさないでレンズのみでズームすることはズームと言わず、センターズームとして区別しています。
- パン(パン、逆パン、パン・アップ、パン・ダウン)
- 原則としては、トランジションと同じ、シーンの切替。A〜Bへパンした場合は、「Aの話は終わりです、次にBの話に移ります。」ということになります。
- 位置関係を見せる。
- 幅の広いもの、高いもの。
- フォローパン(被写体の動きに合わせてその動きをフォローする)
- 逆パン:日本では左から右へのパンが視聴者に素直に受け取られる。右から左へのパンを逆パンと呼んでいるが、特に意識する必要はありません。パンは方向に意味があるわけではないのです。
- 縦方向にカメラを振ることをティルトと間違う場合がある。雲台のティルトから引っ張り出したもののようですが、実際の現場ではパンを使っています。ここでティルトを使わない理由が4つあります。
- 私がバイブルとしている Gerald Millerson (英国)もパンを使うのが一般的と述べている。
- パンとはある方向に動かすという意味があり、ティルトはどちらかというと傾斜角度、傾けるというような意味であまり動かすという言葉の響きが少ない。
- 通常、AからBへパンという言い方をするので、方向に関してはあまり意味が無い。
- 横に動かすのがパンで縦がティルトなら45度方向はどちらを使うか結論がでない。(これが一番解りやすい説明かもしれない)
- ※:パンニングの速度
- 一般的には、歩く速度を標準としてケースバイケースで速度を調整します。
- ドリーイン、ドリーバック
- 効果としては、ズームとほぼ同じですが、本来の意味は全く違います。これは、視聴者がカメラの目になれる、いわゆる自分が主人公的になる一人称ショット。ZIの場合は、あくまで第三者的視点になります。
- 画角としては、ズームと全く違うことに注意します。映画的なショット(映画ではZI,ZOはあまり使わない)となります。
- ズームと異なり背景も画として重要な意味を持ちます。
DI;カメラが被写体に近づく。
DB;〃 から遠ざかる。
- トラック(カメラを左右に移動させながら撮る)
- フォロートラック
- 役者の動きに合わせてカメラが被写体をフォローしながら移動します。
昔、黒澤明監督がうっそうとした林の中を走る役者をフォローしたい時、とても役者に合わせてフォローするわけにいかず、結局、カメラを中心に円を描いて役者を走らせた。カメラは役者に合わせてぐるぐる回しただけだが、いかにもカメラがフォローしているように見える。カメラの動きとしてはパンだが、その映像迫力はフォロートラックそのものだった。
- 回り込みトラック
- 林の中のフォローと逆にカメラが正面に回りこんで役者の表情を捉えるなど。
- 背景の変化。バラエティー豊かな映像。
- 迫力。
- 流動感。
- クレーン
- その名の通り、カメラを上下左右に移動します。
- 効果としては、DI、ZI(ブームダウンまたはクレーンダウン)、DB、ZO(ブームアップまたはクレーンアップ)とほぼ同じです。
- 多くの場合、移動や旋回ができるため、Crane/Tongue/Dolly/Truck を併用した複雑なカメラワークをします。
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★★★カメラを動かす★★★
カメラを動かすということは、最も難しいはずなのに、いとも簡単にというより、安易に動かしてしまうのが一般的のようです。ここぞというときの明確な目的を持ったカメラワークだからこそ迫力・感動を与えられるものなのに・・・
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4.被写体および画面の方向性
- 被写体の動きによる方向性
- 車などが走る場合、方向性が生じる。この場合、車の進行方向に対し、左右から撮影すると見ている側に混乱が生じます。また、先入観的に例えば、新幹線が画面左方向に向かって走っていると大阪行きというイメージも大切にします。
- 構図としての方向性
- クロスする構図がカット替えのショックを和らげる。画面の方向性も常に考えながら撮影。
良いカット替え
- 画面を構成する線分の角度が変わらない場合、カット替えの際ショックがあります。
- ショックのあるカット替え
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5.会話軸(イマジナリーライン) |
二人の会話を撮る場合、画面の二人の位置関係は 左側に太郎 右側に花子 としなければなりません。
この二人を結ぶ線(会話軸:イマジナリーライン)を越えたショット(カメラDの映像)はNGとなります。
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これは、画面上、いつも左にいた太郎がいきなり右側に移動してしまうため、太郎が花子に変身(ちょっと古かったかな?)したようにみえてしまうからです。
どうしても(D)のショットを生かしたい場合は、どうすればよいでしょうか。考えてみましょう。 |
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6.カメラワークによるカット替え(編集をやりやすくするためのショット)
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フェードインとフェードアウト
- 場面転換の方法。時間の経過、場所の移動を表します。通常は編集で行います。
- 注意点;あまり多用しないことが肝要。基本的にはフェードアウトのあとは、フェードインですが、カットインでもそれほど違和感はありません。ただし、カットアウトのあとのフェードインは強いイメージとインパクトを与えるので、よほどの理由が無い限り避けるほうが無難です
- フォーカスインとフォーカスアウト
- フェードと同様な使い方もしますが、時間的に長い隔たり、例えば、子供の頃の思い出のシーンがモノトーンで入ったり、夢の中の出来事などに使います。
- フォーカスアウトのあとは、フォーカスインで入りますが、フェード、オーバーラップ(OL)と組み合わせたりすると効果的です。
- フレームインとフレームアウト
- カメラがフォローしないで人や車が画面に入ってきたり、出ていったりするショット。慣れないとかなり根性がいるかも知れません。
- 画面のつながりが非常にスムーズになり、下手な小細工をしなくて済みます。
※下手な小細工・・・カットのつながりが悪いためにオーバーラップや、イフェクトをかけたりする。これは、本来の意味でのイフェクトではなく、インサートショットやリアクションを撮っていないなど撮影ミスをカバーするためのもの
- 視感ショット(見た目)・アクションカット
- 見た目:被写体である人物の目になりかわり、カメラがその人物の見たものを写します。
- この場合、アクションカットで視感ショットに移るとより効果的です。恐怖系映画でよくあるつながり。
- 女の子が手紙を書いている〜物音に振り返るUS〜ジェイソン(古くてすいません)〜キャーという悲鳴と女の子US・・・。
- ピン送り
- 奥さん(ご主人)をうならせるのに最も手っ取り早い方法。
- ナメ、越し
- (会話軸の図参照)聞き手を手前に入れて、話し手を撮るようなショットを肩ナメ(肩越し)のショットと言います。ドラマなどで二人の会話があると必ず出てくるショットです。
- ナメはかする程度。越しは手前の人の動きがわかるくらいにかなり思いきって入れ込むようにします。
- リアクション
- 例えば聞き手のうなずく顔、コンサートの観客のショットなど。これにより映像に変化がつき、とても見やすくなります。
- インサートカット・トランジションカット
- 編集を考えた場合、最も大切なカットといっても過言でないくらい大切で忘れがちなカット。
- 子供と遊園地へ行ったが、子供を追うことばかり考えて説明的なカットがない。この場合、遊園地の看板、料金表、季節感のある花、木、雲、乗り物などを撮っておくと、非常に編集しやすくなります。編集しない場合でも、このようなカットを入れると見ているものに安堵感を与えます。始めから終わりまで子供の顔ばかりでは飽きてしまうものです。
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