山に登る前にこんなこと
- 登山技術書やガイドブックでまずは入門
- 初心者は山の技術書やガイドブックをあまり読まないようです。
裏をかえせば、他人に連れていかれるだけの人が多いということでしょうか。 これではなかなか上達しません。
- 山登りでは、ベテランであろうとビギナーであろうと、1人1人がリーダーの意識を持つべきです。
いつ何どき、たった1人になってしまうかわからないからです。 経験の乏しいあなたをそのとき救ってくれるのは、技術書から得た知識であり、ガイドブックから得た山の情報なのです。
- 地図が読めると山はずっと楽しい
- 山の地図には大きく分けて3種類あります。
5万分の1地形図などで知られる国土地理院の地形図、昭文社や日地出版に代表される大判の山岳ガイドマップ、そしてガイドブックに掲載されるコースごとの地図です。
- これらの地図はいずれも北方向が上。
5万分の1地形図は1cmが水平距離500m、2万5千分の1なら250m。 等高線の幅が詰まっているところは急傾斜。 幅が広いところはその逆。
こんな基本だけでもわかっていれば、初めての山でもおおまかな状況がつかめます。 これで事前の机上登山もOKというわけです。
- 山岳技術書には地図の読み方の本もたくさんあります。
地図が読めるようになれば、山登りはもっと楽しくなるのです。
- どんな山にいつ登ろう
- ただ連れていかれた山と自分で選んだ山とでは、やっぱり登ったときの満足感や自然に対する見かたが大きく違ってきます。
自分で山を選び、自分だけで準備をすれば技術も格段に早く身につきます。
- さて、まずは登る山の選択です。
登り下り合わせて4~5時間以内、分岐が少ない、長く急な登り下りがない、登山口までのアプローチが短い、交通の便利な山、そんなところを基準にしましょう。
- 登る季節は、雪さえなければいつでもかまいません。
ただ、アルプスなどの高山は9月には早くも降雪やミゾレがあります。 簡単に死ねるのはこんなときです。 やはり最初は、新緑、梅雨明け10日、紅葉といった、登山者の多い時期を選ぶのがいいでしょう。
- とっても大切なメンバー選び
- 楽しい山登りの秘訣は、すばらしい展望でも、豪華な昼食でもありません。
いちばん大切なのはメンバー選び、そう思います。 よく、バテたメンバーを置きざりにして先に行ってしまうグループの話を聞きますが、こんな人たちといっしょでは、命がいくらあっても足りません。
- 山を登っていて疲れたとき、そんなときでも気持ちがプラス指向に働くか、マイナス指向に働くかを決定付けるのは、いっしょに登っているメンバーなのだと思います。
ベテランだって、メンバーがいつもと違うとバテてしまうことがよくあります。 最新の装備より、信頼できる楽しい仲間のほうが、山でははるかに大切なのです。
- 自分の体力と健康状態を知っておく
- 登山にはある程度の体力が必要です。
そしてそこそこに健康でなくてはなりません。 とは言うものの、自分の健康状態や体力はそうそうわかるものではないのがつらいところです。 - まあ体力は、このあとでも紹介するトレーニングで身につければいいことなのですが、問題は健康状態です。
とくに中高年者の場合、病気が原因の遭難がけっして少なくありません。 病気の多くは心臓や脳の血管系です。
山に行きたいけれど、健康面がちょっと不安という人は、まずは成人病検査を受けてみるといいでしょう。
成人病検査は、別に異状がなくても年に1回は受けたほうがいい検査ですが、山を始める前に一度受けておけばより安心できるはずです。 この検査で何らかの異状が見つかったら、こんどは負荷心電図や心エコーなどのメディカルチェックを受けることになります。
- 40歳を過ぎれば、多少の不具合はしかたありません。
うまく折り合いをつけて山に登りたいものです。 山登りは心身ともに効用のあるスポーツなのですから。
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