山ではこんな食べかたがおすすめ
- 山行前夜は炭水化物をたっぷり摂ろう
- 筋肉を動かす原動力になるのは、ごはんやパン、めん類などのでんぷん食、つまり炭水化物、それと脂肪です。
これらが体内でグリコーゲンやブドウ糖、脂肪酸となってエネルギーを生みだします。
- ただ、脂肪は体内にいくらでもあるのに比べ、炭水化物は食べ物から補給しなければなりません。
ですから前の晩から体内に炭水化物を貯めておきましょう。 肉や揚げ物の代わりにごはんやめん類、じゃがいもなどを余分に摂っておけば、炭水化物の備蓄はばっちりです。
- ただし、朝は血糖値が下がっているので、必ずきちんと食べてから歩きはじめましょう。
- 栄養のバランスは考えなくたっていい
- 1週間や2週間も山に入るのなら別ですが、1日、2日の山登りなら、栄養はあまり考えなくていいと思います。
主食としておにぎりやパン、めん類などの炭水化物を用意しておけば、あとは何を食べたっていいと思います。 ただ、缶詰などの重いものを担ぎ上げるのなら、果糖や水分の豊富な果物のほうがいいような気はしますが。
- 山の食事は豪華さより楽しさを重視しましょう。
そのほうがよほど体にはいいはずです。
たとえば、軽量コンロでラーメンや雑炊をつくる。 心も体もホカホカです。 そしてゆっくり消化させながらコーヒーでも飲みます。 これで午後の栄養補給もばっちりという次第です。
- 歩きながら食べることもある
- いっぽうで、1日の行程が長い山登りとなると、のんびり昼食を楽しんでいるわけにはいきません。
- こんなときは、行動食を栄養補給の中心とし、休憩時や歩きながら食べることもあります。
食べるものはやはり炭水化物が中心ですが、パンよりも梅干の入ったおにぎりのほうが水の消費は少ないようです。
また、でんぷん質がより消化吸収しやすくなったデキストリン食品もお勧めです。 これはカロリーメイトなどに代表されますが、熟して茶色っぽくなったバナナにはデキストリンとカリウムが多く含まれています。 カリウムには痙攣を防ぐ効果があるといわれます。
- 非常食はカロリー重視
- 昨年5月、志賀の山中で道に迷った男性が2本のマヨネーズと水だけで17日生き延びて助かったことがありました。
運のよさもありますが、マヨネーズが高カロリー食だったことも見逃せません。
生命を持続させるにはカロリーが必要です。
これが野菜やコンニャクだったら助からなかったかもしれません。
- だれもがよく持つ非常食にチョコレートがありますが、カロリーがあって甘いというのは非常食に適しています。
甘いものは血糖値を上げ、空腹感をいくぶん満たしてくれます。
- 日持ちすること、火を使わずに食べられることも条件です。
チョコをはじめ、チューブ入りコンデンスミルク、蜂蜜、ビスケット、ゼリー、ドライフルーツ、カロリーメイトなどがその条件にかなうものです。
- バテたときはこんな食べかたで元気回復
- ほんとうにバテてしまうと、水以外何も受けつけなくなります。
食べなければ山を歩き続けることはできません。
- こんなときは水分だけ補給してゆっくりと休み、少しでも食欲が戻ってくるのを待つしかなありませんが、その人の好物や辛みと香りの強いカレーなどがあると、思ったより早く食欲が回復することがあります。
- 好物は千差万別なので何とは言えませんが、腐りにくいものなら何でもOKです。
カレーは粉カレーを持参し、手元にあるものを炒めればいいのです。 おにぎりをほぐして炒めれば即席ドライカレーのできあがり。 コンロが必要になりますが、万一のためにも、パーティにひとつくらいはコンロとコッフェルを用意しておくべきでしょう。 そんなに重いものではありません。
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